江副式教授法講習会
2011年 06月 22日
新宿日本語学校では校長である江副隆秀先生が考案、開発した教材と教具を用い、独自の教授法で授業を行なっています。さくらも1995年の新規開校以来、同校の協力を得て江副式教授法を用いベトナム人講師も直接法で教えています。
本日の講習で最初に示されたのが、江副式教授法の基本方針「文法の可視化」です。
そしてそれを実現する教具が「重箱カード」。各品詞が色分けされ、また接続形によりカードが様々な形にデザインされています。
この教授法とカードは、現在もさらに研究開発中だそうで、今日の講習でも新たに助詞を可視化するカードをご紹介頂きました。
興味深かったのは、以下の森先生のお話でした。
「最近は国内の聾学校での教育において、江副式教授法が注目されています。というのも、聾学校の生徒達が携帯メールを使うようになっているのですが、手話によるこれまでの日本語文は表記する際の正しい文構造にはなっておらず(例;「ケーキ 大きい 食べます。」⇒正しい文は「大きいケーキを食べます。」)、その正確な習得が課題となっているのです。目で見て分かる江副式は、その習得に非常に効果的と評価されています。」
外国人のためだけでなく、このように日本人聾唖者にも役立つ日本語教材の開発と教授法の指導。発想とそれを広める意志と熱意があってのことと感服致します。
(江副先生はブラジルの日系人を対象とした日本語教育にも深く関わっており、児童・生徒向けの教材、教具も開発されています。)
以下に講習会の様子をご紹介します。
新宿日本語学校の初級教材『新実用日本語』
江副式品詞分類とカード
新教具、助詞「で」のカード
「太陽カード」…これを使うと学習初日にして基本的なあいさつが言えるようになります。(カードがよく見えなくてすみません。)
森先生の楽しい講義に、さくらの先生方もすっかり引き込まれています。
いよいよ実習。まずは全員で『うちよそ』(尊敬語、謙譲語)のアクション
H先生。カードを使った動詞のテンスの練習
K先生。対になっている形容詞の練習
初めて江副式教授法のレクチャーを受けた先生もいましたが、「分かりやすい」、「楽しい」と好評でした!森先生、ありがとうございましたー!!
※江副式教授法や教具については新宿日本語学校のHPで紹介しています。(→こちら)
ぜひ一度ご覧になってみてください。